一度定植すれば、実がなり始めるまでには3~4年はかかりますが、その後、数十年間は実のりを与え続けてくれます。当ぶどう園では、そんなぶどうの樹を慈しみながら、大切に育てています。人も樹も同じでそれぞれ個性があります。一本一本の性格に合わせた育て方をし、秋には恵みの恩恵が受けられるのです。美味しいぶどう作りには欠かせない、枝の選定から収穫までのぶどう園の年間を通しての作業です。ぶどう園では収穫のあとの施肥作業もかかせません。私たちスタッフがぶどう園で年間を通じて行っている作業を、当農園の主力品種であるピオーネにて、ご紹介いたします。
①整枝剪定
美味しいぶどう作りには欠かせない、年間を通して最初の作業です。樹形を整え、葉の光合成を促すため余分な枝を切り落とす熟練した技術を必要とします。雪の中での、大変かつ、重要な作業です。
②枝片付け
切り落とされた枝は、病害虫の温床になるため片付けます。春早くからの作業に間に合わせるため、まだ残雪が残っているなかでの作業です。
①粗皮削り
ぶどうの樹も脱皮します。古くなって脱皮した粗皮を人手によって削ってあげます。皮の下にひそむ害虫やその卵を退治するためです。
②芽きり
樹勢の強い太い枝は、全部の芽からは新梢がでないんです。これを防ぐために行います。特殊なハサミで芽のすぐ脇に切り込みを入れる作業です。
③芽かき
ぶどうは芽から新梢が2つでます。これを1つに欠く作業です。これを行わないと棚面いっぱいに枝が張ることになり、光合成効力が薄れてしまうからです。
④房きり房落とし
栄養成長を助けるために、開花前に房の肩の部分を切り落としたり、開花後には房そのものを落とします。収穫時に期待する収量に抑えるためです。
⑤摘粒
房の型を整える作業です。粒を多くつけ過ぎると、果実への栄養が不足して、糖度が落ちるばかりか、色付きにも影響します。
①袋かけ
病害虫からぶどうを守るため、袋掛けをします。また同時に葉面散布の殺菌剤から果実を守る役目もします。
②笠かけ
高温障害を防ぐためと、除袋後の降雨から果実を守るためです。その名の通りぶどうの日傘、雨傘です。
③潅水
作物の成長に欠かせない3要素のひとつが水分です。降水がないと、樹は樹勢維持のため、果実への養水分の供給を抑えてしまいます。乾燥の強い夏季は人為的に、水分を補ってあげる必要があります。当ぶどう園では機械を使ってのスプリンクラー潅水を行っています。
④収穫
一年の集大成。いよいよ収穫期になりました。当園のぶどう「巨峰」は全て施設栽培ですので、施設形態(加温ハウス、雨よけハウス)、加温開始時期によって収穫時期に違いがあります。通常7月中旬から開始し、冷蔵庫管理で最終出荷は11月末頃までとなります。
施肥
一年間の感謝と、翌年の恵みのために肥料を与えます。一本一本樹によっての樹勢が違いますので、その樹にあわせた量で施します。